はじまりの日に約束をかわした
それじゃあまたねって　その気もないくせに
ひとりきりの世界　雨音で閉ざした
不確かな未来　あの時のままだから

触れて縺れた　記憶にそっと
触れて揺らめいて　解けた絲を絡めて

過去はいつだって　華やかに彩る
いつもの場所だって　色褪せていくくせに
ふたりきりの世界　雨音で閉ざした
不透明な夢　あの時のままだから

触れて縺れた　記録にきっと
触れて揺らめいて　解けた絲を絡めて

深く　心の中に静かに積もる君への想いが
淡く　揺れる水面へと浮かぶ泡と弾けてしまうまでに
昏く　夜空の中に揺蕩う夢に君が来る前に
白く　煌く光に眩暈う花が枯れていくように

声　仕草　ひとつひとつ　ゆらゆらと　夢にとけていく
傘の上　つらりつらり　代わりに　雨を零していく

おしまいの日に約束をかわした
いつもと何も変わらない素振りで
あたりまえの世界　雨音で閉ざした
小さく微笑んで　それじゃあまたね

2018.02